対馬バタフライフォーラムが2023年7月に開催されました!!

2023年7月8〜9日、対馬バタフライフォーラムが開催されました。

コロナ禍となってからフォーラムはしばらく開催されておらず、2017年夏に「ふじのくに地球環境史ミュージアム」で行われた「静岡バタフライフォーラム」以来の開催です。なお、今回は対馬博物館の自然史特別展「対馬の昆虫 陸橋の島の生物多様性」に併せ、日本蝶類学会と対馬博物館の共催という形での開催となりました。

 

7月8日、14時から博物館の一室で行われた講演会では、菱川会長による開会挨拶に続き、長谷川大氏(本会理事)による「対馬のゼフィルス」では、対馬に分布するウラジロミドリシジミやキリシマミドリシジミの分類についての講演、その後、矢後勝也氏(本会副会長)による「対馬固有の蝶・ツシマウラボシシジミの保全とその未来」では、ツシマウラボシシジミの保全活動について数多くの事例に基づく講演が行われました。講演後の質疑応答では、ツシマヤマネコの保全活動をされている方から、「子どもたちに生き物の大切さをアピールする方法についてアドバイスを」との問い掛けがあり、矢後副会長から、「子どもに限らず、実際に見たり触れたりしたものしか、その大切さは理解できない」、「昔は,昆虫の採集や飼育が教育現場で奨励されたが、そうしたことは今もとても大切」と説明する場面がとても印象的でした。

 

9日のエクスカーションでは、対馬市自然共生課のご協力でツマウラボシシジミ観察会が行われました。雨がちな天候でしたが、一瞬のぞいた晴れ間には、保全区内を飛び交うツマウラボシシジミが数多く観察でき、参加者は一様に満足。また、市が用意してくださったヌスビトハギ類(ヌスビトハギ、ケヤブハギ及びフジカンゾウ)のポット苗を参加者全員で保全区内に補植しました。観察会の締め括りに、ツシマウラボシシジミをあしらった募金箱が登場し、会長はじめ参加者各々が寄付を行いました。